日本建物保全株式会社
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受変電設備幹線設備動力設備電灯コンセント設備テレビ共聴設備



受変電設備


自家用受変電設備は、多数の機器により構成されている。これらの機器のリフォームには安全性、保守性、経済性の面より十分な検討が必要となる。
1.リフォームを必要とする要因
受変電設備のリフォームを必要とする要因としては下記の項目が考えられる。

(1)各構成機器が耐用年数を経過し、劣化診断の結果リフォームが必要と判定されたとき

(2)故障、メンテナンスにおけるトラブルが多く安定した電力の供給に不安が起きてきた場合

(3)機器の旧式化等により、保守部品の入手が困難となり、保守管理が困難となった場合

(4)増設を重ねた結果、保守点検等の安全の確保が困難となった場合

(5)急激な負荷の増加が見込まれ、単なる増設では対応できない場合

(6)省エネルギーの面から見て問題のある場合
2.リフォームの方式
(1)リフォームの方式としては

(i)リフォームを必要とする機器単体を取り替える等の部分的方式

(ii)設備全体を取り替えることにより、受電型式、保護方式等すべてをリフォームする方式

の2方法が考えられる。(i)の方式は、リフォームを必要とする機器を順次取り替えることにより、比較的安価で行うことができると共に、給電停止も部分的に行うことで施工も比較的短時間で行うことができる。
 (ii)の方式は受変電設備の設置場所の変更をともなう場合が多く、一次側受電線路、二次側給電線路の変更も必要となり、施工計画、停電(全停電)計画を充分検討する必要がある。
3.計画立案のポイント
受変電設備の全面的リフォームの計画に当たり特に留意すべき点は、

(1)受変電方式(屋内、屋外、開放型式、キュービクル方式)の検討

(2)将来の負荷の増加を考慮したスケルトン、機器配置計画の検討

(3)保守性、経済性、安全性、信頼性、省エネルギー(保守人員、ランニングコスト)の推定及び検討

(4)施工上の問題点、特に停電作業の充分な計画検討の4項目であり、この検討計画がリフォームの結果に大きな違いを生じる。
4.主要機器選定のポイント
(1)変圧器
最近のビル設備用変圧器は、小型軽量化、不燃化、信頼性の向上の面からモールド型、H種乾式変圧器の採用が数多くみられている。油入変圧器を採用する場合は第1表に示すような絶縁油劣化防止策を施したものを使用すべきと考える。また低損失型変圧器を採用すると第2表のような省エネルギー化をはかることができる。

(2)遮断器
遮断器は、高性能化、小型化、無保守化等から各種類のものが製造されている。遮断器の消弧方式による分類を第3表に示す。高圧用遮断器は、油遮断器(O.C.B)に代わって、真空遮断器(V.C.B)が保守の簡易化、経済性、安全性の面より数多く採用されている。

(3)計器用変成器
計器用変成器に対して通産省の高圧受電設備の施設指導要領では次のように指導されている。

(イ)計器用変成器はモールド型を使用すること。

(ロ)方向性地路継電器と組合せて使用する計器用変圧気はコンデンサ型を使用すること。

これは従来の巻線型に代えて、モールド型を使用し難燃化を図ることを目的としている。

(4)受配電盤
一般的傾向として受配電設備は、省スペース、保守性などの理由により、閉鎖型が多く採用されている。特に最近の小型化の要求に対応して、第1図に示す構造による壁密着型が開発されている。

(5)計測制御方式
計測制御方式には現場方式、遠隔方式、シーケンス方式、C.P.U方式の4方式の組合せによるものが現在利用されているが、方式の選別は受変電設備の規模、監視室の位置スペース、保守管理計画等を充分考慮して検討する必要がある。


5.関連法令
自家用電気工作物を更新する場合

(1)500kW以上の需要家で高圧受電用遮断器及び特高用遮断器の取替

(2)電圧10kV以上の機器の取替

この条件に該当する場合は事前に通商産業局へ工事計画を提出することが義務付けられているので工程その他に注意する必要がある。




幹線設備



1.幹線設備のリフォーム要因
ビル電気設備のなかでも最も安定した設備と考えられる幹線設備においても、次の要因でリフォームを行う必要が生じる。

(1)電線ケーブル類の絶縁の劣化の進行

(2)ビル建設後の電力負荷の増大により、その都度増設を行った結果、幹線系統が複雑になり、信頼性、保守の安全性が低下

(3)最近のOA設備に電源を供給するために幹線の信頼性、安全性を図る必要がある。

2.リフォーム計画を立案する手順
幹線設備のリフォームの計画を作成するに当たっては、一般的に第1図のような手順が必要となる。

(1)負荷の調査、及び将来負荷の推定
リフォームを行うに当たり、基本的な事項として現状負荷の正確な調査を行うことが大切である。さらに、近い将来の負荷の増加を推定し、リフォームの際に容量的に予備を含めるべきか検討する。

(2)負荷の分類、グループ化
現状負荷、推定負荷の調査結果を分類し、現状の幹線を検討した上で、負荷を分類し、グループ化を検討する。この際重要なことは、新しい幹線の重要度(信頼性、安全性等)のグレードを充分検討することである。特にOA関連機器の幹線については、事故時、メンテ時の停電に対するバックアップの計画も必要となる。

(3)幹線ルートの検討
幹線のリフォームの場合、建築的制約がありそのルートの決定には現状のEPSのスペースの調査を行うと共に、他ルートの検討も併せて行うことが重要となる。既設の幹線ルートを使用する場合と他のルートを使う場合では工法工程等にも大きな差異が出てくる。
 幹線ルートの決定に当たり事前に検討する事項は大略字のような項目でる。

○幹線のためのスペースを充分取れるか
○建築構造物の貫通等が可能か
○資材の搬入廃材の搬出が可能か
○作業スペースの確保が可能か
○完成後の保守に問題はないか

(4)幹線方式、配線方式の検討
配線方式は第2図に示す方式が一般に使用されているが、OA機器の電源、コンピュータ及びその付属機器(空調電源を含め)に対しては、第3図のような二重幹線方式を取り入れて、安全性、信頼性の向上を図ると同時に、保守の際の安全の確保を図ることが必要である。第2図、第3図はごく標準的な系統方式であり、負荷の分類、重要度等により充分検討し、用途に応じた系統方式を計画すべきである。

配線方式としては
○W線+電線管方式(部分的にダクト)
○ケーブル+ラック
○バスダクト

の3方式が一般的であるが、いずれの方式を採用するかは、配線ルート、配線スペース、負荷電流等を検討のうえ決定すべきである。最大負荷電流が600A以上の場合は、バスダクトを用いる方が、経済的に有利と考える。

(5)配線サイズの検討
幹線方式、配線方式、電線ルート、負荷電流より配線サイズが算出されるが、特別な条件(負荷変動時の電圧変動を含め)を要求される幹線以外は通常3%以内の電圧降下にしサイズを決定すれば充分と考える。

(6)防災対策の検討
電力ケーブルはそれ自体発火源でもあり、また外部の火源より火災になる場合がある。いずれの場合にもケーブルが火災の延焼媒体とならないよう壁等防火区画を貫通する部分には適切な延年防止措置を施す必要がある。また最近ではケーブルの難燃化、不燃化の技術も開発されると同時にケーブル火災による有毒ガスによる二次火災害を防ぐため無公害難燃ケーブルが開発されている。幹線のリフォームを計画する場合には、これ等の新技術も積極的に取り入れるべきと考える。

(7)実施計画の作成
以上4項目の検討を行うことによりリフォームの基本的計画は完了するが、実際に実行するためにはさらに、工事時期、実施工程の作成が必要となる。幹線のリフォームには切替等のために停電作業が必要となり、建物の利用形態により、停電を取りやすい時期と難しい時期がある。したがって工事時期は全工程の中でも特に停電作業が集中する工程の最終の時期が停電の取りやすい時期にかさなるよう計画する必要がある。
 実施工程の立案に当たっては最も重要となる停電作業の個別工程を中心としてその前後の工程を計画し全体工程を組み立てることにより、工事施工期間の電力供給の安全を図ることが大切である。
 以上幹線設備のリフォームの手順について述べてきたが、幹線設備は建物により、また負荷の種類により種々の方式が取り得るが、再々リフォームを行うことは経済的にも不可能であり、電線ケーブル類の耐用年数も20年〜30年であることを考えると計画は充分慎重に行うことが大切である。




動力設備


建築物における動力設備としては
(1)空調、衛生設備に付属する、各種モータ設備

(2)上記モータ類を制御する制御盤設備

(3)設備全体を監視する監視設備

の3種に大別できる。(1)項のモータ設備の場合、各々の設備の目的により運転条件等が異なるために、一定の時期に同時に取替等を行う性格のものではなく、個々の劣化に応じてリフォームを行えば充分と考えられる。したがって、今回の動力設備のリフォームとしては、(2)(3)項の、制御設備、監視設備を主体として取り上げたい。
1.制御設備、監視設備のリフォームの要因
制御設備、監視設備のリフォームの要因としては、
(1)設備が老朽化し、各々の構成部品の故障が多くなり安定した設備の運転が困難となる。

(2)部品が旧式化し、保守部品の入手が困難となる。

(3)設備全体の省エネルギー化を図る必要がある。

(4)省人員化を図る。

通常リフォームを計画する主たる要因は(1)、(2)の要因による場合が多いが、リフォームを行う以上(3)(4)項の省エネ、省人員化も併せて計画すべきである。
2.リフォームの方式
動力設備のリフォームには
(1)各設備の機能を変えず、単に老朽化、旧式化したものだけをリフォームする。

(2)設備全体の機能を向上させ、省エネ、省人員も併せて行う。

の2通りが考えられる。
 いずれの方式を採るかは設備全体のバランス、将来計画、コストを充分に考えて判断すべきである。
3.リフォーム計画立案の留意点
動力設備のリフォーム計画立案について特に留意する点は、次の5項目である。

(1)制御監視方式の選択(安全性、保守性、省エネ、省人員等)

(2)将来の拡張性

(3)制御方式変更に対する対応性

(4)制御信号の伝送方式の検討

(5)制御盤監視盤等の配置、スペース、新旧設備の切換等の作業性、およびスケジュール

(1)〜(3)は制御システムのソフト・ハードに対する検討であり(4)〜(5)は既設設備および建物等による制限的条件の検討である。
4.制御方式の選択
近年ビル制御において、各種の新技術が取り入れられてその技術的発展は目覚しいものがある。第1表に各種制御方式の比較を示す。第1表に示すように規模の大小、および使用場所(中央、現場)によりどの方式を採用するか、充分検討することが大切である。最近傾向として制御機能をすべて中央に集中する中央集中制御に対して、各制御対象毎またはブロック毎にローカルステーションを設けた分散制御方式も採用される例もある。分散制御方式は中央集中制御に比べローカルステーションが制御機能を持つために中央装置のバックアップが比較的容易となり、万一システムダウンが発生しても部分低機能の停止で済み全システムダウンまで至らずに済む利点がある。ただし、分散制御方式の場合の通信方式は一般的にシリアル伝送のため通信回路の伝送速度、対ノイズ性能等に充分注意を払う必要がある。第1図にC.P.Uを用いた集中監視制御方式のシステム例、第2図に分散制御システムの例を示す。


5.制御信号の通信方式
最近のビルの高度化に伴い中央装置と現場機器間の信号量が急速に増加している。制御設備のリフォームにおいて、新しい制御信号路を計画する場合、建築物側の制約を受けやすい。最近LAN、光通信技術の発達によりシリアルの信号伝送が容易となりビル制御にも採用されつつある。通信方式の検討において通信量を考え必要充分なシステムを選択することが大切である。
 しかし、中、大規模のビルの場合将来負荷の増加・変更も考えられる。そのために通信用回路を増設することは非常に困難なこととなる。したがって通信端末を増設することで対応可能なシリアル伝送方式を採用したほうがフレキシビリティも高くかつ経済的である。
6.リフォーム施工上の注意点
新旧の設備の切替に当たっては、建物の機能を低下させることなく、できるだけ短時間にて行うことが必要となる。したがって、信号線等の入出力の事前調査が重要となる。必要に応じ信号切換のための中継盤等の製作も考慮し、施工計画を充分検討せねばならない。

× × ×

以上動力設備のリフォームについて述べたが、制御設備の能力、方式によって建物の保守費用、エネルギーコストに大きな影響を与えるため、必要にして充分な設備を計画することが大切である。




電灯コンセント設備


1.電灯設備リフォーム
電灯設備のリフォーム要因として、下記の4項目が考えられる。

○電灯設備のリフォーム要因

(1)耐用年数によるリフォーム
照明器具の耐用年数は、一般に白熱灯については半年永久と考えられるが、放電灯は安定器の劣化による使用期限があり、一定期間ごとに安定器を取り替える必要がある。安定器の平均寿命は、標準条件での使用下で、8〜10年とされている(JIS C8108蛍光灯安定器)また使用条件を加味した場合第1表となる。

(2)安全性向上を目的としたリフォーム
安全性劣化による要因は前記寿命よるものに加え周囲環境条件、使用条件により、安定器の劣化が急速に進むため、器具温度の異常上昇ひいては発火の危険がある。現在製造されている安定器には二重安全構造のサーマルプロテクタ(第1図)により、安定器の異常を検知し、災害の起こる前に電源を遮断する機能が設けられている。

(3)省エネルギーを目的としたリフォーム
照明器具の省エネルギー化に対する開発は近年ますます進んできている。ビル電力における負荷別使用率を第2表に示す。照明電力はビル使用電力全体の33%を占めている。照明の省エネルギー化を蛍光灯を例として取り上げてみると10年前と現在の器具の節電比は第3表に示すようになる。各種器具とも節電率はほぼ20%である。40W2灯用器具1台の年間あたりの電力料金を試算すると年間点灯時間3000時間、電力料金、25円/kwとして1800円/台となり省エネを図ることができる。

(4)OA対応を目的としたリフォーム
最近事務所におけるOA機器の導入はますます増加の傾向にある。OA機器、特にビジアルディスプレイ等に対する作業に対して、労働省より下記指導が行われている。

(i)照明及び採光

(イ)室内ではできるだけ明暗の対照が著しくなく、かつまぶしさを生じさせないようする。

(ロ)CRTディスプレイの鉛直面照度と書類やキーボード面等の水平面照度をそれぞれ適切なものにする。推奨照度の値は下記のようである。

(a)鉛直面照度 500lx以下
(b)水平面照度 300〜700lx

(ii)グレアの防止

(イ)作業中の作業者の視界内には、高輝度の照明器具、窓および壁面または、点滅する光源等がなく、かつCRTディスプレイには、これ等が映り込まないようにする。そのための方法として、

(a)低輝度型照明器具を使用する。
(b)間接照明を用いる。
(c)その他グレアを防止するための有効な措置を講ずる。

等と指導されている。OAに対応して照明設備のリフォームを計画する場合、上記の事項を充分検討して計画を立案する。


2.コンセント設備のリフォーム
コンセント設備のリフォームの要因としては、
(1)コンセント回路配線を含め絶縁の劣化、器具の劣化
(2)事務所ビル等におけるOA機器の急激な増加等による回路、受口の変更、増設

の2点がリフォームの要因の大半を占める。
 1項については日常の保守管理の範囲となり、全回路を一度に改修、リフォームするような事態は、ほとんど起こらない。したがって、ここではOA対応リフォームについて説明する。
 一般にコンセント回路は建築物本体に埋設されているために、OA機器の増加には、対応が非常に困難となっている。したがってOA機器に対応して、コンセント設備をリフォームするには、既設の回路とは別の回路、配線システムを構築する以外に方法が無いのが現状と考えられる。既設建築におけるOA対応のコンセント回路方式としては、

(1)アンダーカーペット配線方式
(2)OAフロアー

の2方式が有効と考えられる。
 
第2図にアンダーカーペット配線方式、第3図にOAフロアの参考図を示す。特にアンダーカーペット方式は今回の電気設備技術基準の改正により個別の特認申請が不要となり利用が多くなるものと考える。一方OAフロアーは将来のOA機器の増設に対しても容易に配線ができフレキシビリティーが高い。しかしリフォームの場合は床レベルが5〜10cm上がるため出入口その他建築物の改造を要する場合があり、計画には注意を要する。



テレビ共聴設備


テレビ受信の形態として集合住宅等に共聴設備が正式に採用されたのは、昭和38年頃からである。現行の直列ユニットテレビ共同聴視方式は、昭和43年に開発されたもので、住宅公団の全面的な採用を契機に、一般の集合住宅等にも急速に復旧したものである。その後、20年近く経過し、これらの旧来の設備はリフォーム化の時期にあると考えられるが、その計画、方法等について以下に述べる。
1.リフォーム化の要件
一般にテレビ共聴設備は次のような場合にリフォームを考える。

(1)機材が耐用年数を経過し、設備全体にわたって劣化が進み、受信状態が悪くなったり、故障が頻発して修理がかさむようになった場合。

(2)技術の進歩により、従来の設備が陳腐化するかあるいは新技術を積極的に取り入れたい場合。

テレビ共聴機器の寿命は普通8〜10年くらいであるが、その期間を過ぎると故障頻度が高くなって、修理費がかさむようになり、また、近年における急速な技術進歩はテレビ共聴設備においても例外でなく、リフォーム化の要求が増大している。

2.機材の劣化判断
機器やケーブルが劣化して機能が低下すると、次のようなトラブルがテレビ画面上に発生する。

(1)アンテナの劣化や折損あるいは増幅器の機能が低下したりしてテレビの入力レベルが不足すると、スノーノイズが発生してざらざらした画面になる。

(2)増幅器が故障すると混変調が起こり、画面に受信されていないチャンネルの映像が薄く現れたり、しま模様になったりする。

(3)ケーブルが劣化して不良箇所が生じたり、何らかの原因で損傷を受けたりすると、そこで不整合が起こり画面の色がにじんだり、細かなゴーストが発生したりする。

(4)分配器や分岐器の機能が低下すると、ローチャンネル画面の映りが悪くなったり、スノーノイズが発生したりする。

3.リフォーム化の方法
設備の改修や更新を行うに当たっては、次のような3段階の方法が考えられる。

(1)従来の機能を回復させるだけに留める場合。

(2)新技術を取り入れて近代化をはかる場合。

(3)技術の動向を見越し、将来技術にも対応できるようにしておく場合。

(1)は機材を最新のものに切り替えて、劣化によるトラブルを解消するものであり、(2)は(1)に加えて現在の最新の技術による映像サービスの充実を求めるもので(3)は将来のさらに高度な受信システムが、実現可能になった時に採用できるように今から準備しておこうとするものである。すなわち一例をあげれば(1)は従来のUHF、VHFの受信システムの更新であり、(2)は衛星放送受信システムの導入による高品位、高品質画像の実現であり、(3)は都市形CATV導入によるコミュニケーションの充実をめざすものであるといえる。



4.リフォーム化への対応
(1)リフォーム化の程度とコスト
先に述べた3段階のリフォーム手段に対するコストは第1表に示すように第2段階は第1段階の約2倍、第3段階は第2段階のさらに約2倍必要である。したがって、どの程度までリフォームを行うかについては将来構想を明確にしたうえで、予算計画を立てる必要がある。予算の都合によっては、第2段階、第3段階のリフォーム化はそれが実現可能になった時に簡単に対応できるように機器の収納スペースや配線ルートを確保しておくだけにすることも考えられる。

(2)機能回復への対応
テレビ共聴システムの発展に伴い、機器も規格化されKJ規格からBL規格へと進み、また受信電波もVHFからUHFへと増加し、それに対応するシステム機器の開発が行われてきた。したがって、機材の更新を行う場合には従来機能を回復するだけでは充分でなく、少なくともUHF放送が鮮明に受信できるシステム更新を考えなくてはならない。

(3)衛星放送受信への対応
リフォームによって衛星放送受信システムを導入しようとする場合の対応の方法について述べる。衛星放送の受信システムには第1図に示す方法があるが、衛星放送の特徴(高品質画像)を充分発揮させるためにはBS−IF伝送方式が最も有利である。しかし、BS−IF伝送方式を採用するためにはケーブルも含めた大幅な改修が必要であり、多大な費用が必要になる。そこで既設システムに比較的取り入れ易いUHF(FM)伝送か、VHFまたはUHF(AM)伝送を選択することになるが、AM方式は映像や音声の質の劣化が大きく、将来のニューメディア対応も困難であるため、UHF(FM)方式の方が有利である。UHF(FM)方式はBSコンバータの出力(1GHz)をダウンコンバータでUHF帯(300MHz)に変換し、共聴ラインを伝送し、端末でアップコンバータによりもとの1GHzに変換しBSチューナに導く方式である。

(4)都市形CATVへの対応
近未来技術である都市形CATVを導入するには双方向機能をもった機器の設置が必要であるが、高価なため現時点では導入可能な準備だけに留めたほうが良いと考えられる。



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